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PROFILE

tamaco NAKANISHI

中西圭子。大阪府高槻市出身。大阪外国語大学中国語科(現:大阪大学外国語学部)卒業。主に「水のイメージ」をテーマに色鉛筆、水彩などでドローイングを制作、発表。素描詩集『Paper Leaves』(vol.1~4・紫紅社)アートブック『水辺で会いましょう』(パレード社)を出版。大阪芸術大学芸術計画学科、美術学科特任教授を経て、現在通信教育学部特任教授。

SOLO EXHBITION

主な個展

(2010年以降の個展)

  • 【2010年、12年、14年】

    LADS GALLERY 大阪
  • 【2016年】

    「素描詩」展 LADS GALLERY 大阪
  • 【2017年】

    「水の木」ギャラリー砂翁 東京
  • 【2018年】

    「眠る水」LADS GALLERY 大阪
  • 【2019年〜22年】

    「水と夢」LADS GALLERY 大阪

GROUP EXHBITION

主なグループ展

(2010年以降の主なグループ展)

  • 【2011年】

    画中の言説ディスクール(梶川芳明・木村和美・吉仲正直と四人展)ギャラリー檜 東京
    カーボンブラック展 セルフ・ソウ・アートギャラリー京都
  • 【2013年】

    「3.11に思う」 セルフ・ソウ・アートギャラリー 京都
  • 【2014年】

    「気分上々」2KWギャラリー 大阪
  • 【2015年】

    「静かな美術」ギャラリーぶらんしゅ 池田市 「心を打つメッセージ」 +1art 大阪
  • 【2017年】

    「マルノナカ」(多羅信綱と二人展) +1art 大阪
    「水 ゆるやかに」(三村逸子と二人展) スペース31 神戸
    「水辺で会いましょう」(原田要 馬場草香 前田要治 三村逸子 山本修司と六人展) LADS GALLERY 大阪
  • 【2018年】

    「交差する」(乾久子 福島世津子と三人展) 法然院講堂 京都
    「なくなりそうな言葉」展 +1art 大阪
  • 【2019年】

    「小さいわたしたち」展 +1art 大阪
  • 【2022年】

    「関西の80年代」(兵庫県立美術館) コレクション展(島田画廊(前 エスェズギャラリー 東京))

BOOKS

Paper Leaves vol.1
著者:中西圭子 発行:紫紅社
¥2,000(税込)

Paper Leaves vol.2
著者:中西圭子 発行:紫紅社
¥2,000(税込)

Paper Leaves vol.3
著者:中西圭子 発行:紫紅社
¥2,000(税込)

Paper Leaves vol.4
著者:中西圭子 発行:紫紅社
¥4,000(税込)

『水辺で会いましょう』
~Water and Dream~
著者:中西圭子
発行者:太田宏司郎
株式会社パレード/2022
¥7,000(税込)電子書籍

POEMS

咲く耳

本当の音楽を
聴いたことがあるか
本当の言葉の声を
聞いたことはあるか

ほぐれてゆく耳を感じて
それまでの己の耳が
堅く凍りついた小石だったと気づく

その時
耳は咲くのだ
咲きたての朝顔のように
ほんのしばらくとしても
無垢を帯びて
風にそよいだりする

遠近法

この世のモノとは思えない
青紫の大輪の薔薇の花とは
遠い昔のカーテンの図柄の記憶

牛乳を飲む義務や
裸足で歩く堤防の道
腐ってゆくスイカの匂いとか
ガラスのかけらの反射とか
溺れそうになりながら
水面をとおして見つけた白い太陽

バスの窓から振り返る時
緑の扉を中心に遠近法が演出されるのだった

Perspective

Unearthly purple roses
Full-blown purple roses
They were figures of a curtain in my old memories

Many things I still remember
Long time ago, I was a kid,
and I had to have a glass of milk every day

Many things I still remember
Walking barefoot on a dike-way
Broken pieces of glass glittering
Smells of watermelons turning putrid
And the shining white sun Isaw through the sea water when almost drowning
Turning back to see through a window of a bus,
I found my perspective staged with a green door as the center

Pride

犬の魂
犬の肉
肉と魂とが
判別不能に混ざり合う
犬そのものを
支えている骨の芯棒が
ちびた鉛筆程度の
チャチなやつとしても
プライドは
青ざめている

夏草

泣くほどのことはない

土砂降りの雨は止んだし
傘なしで歩いてゆける

あの憂鬱な水たまりも
静まりかえった鈍色の鏡か
低く流れてゆく雲が映っている

ひとの絶望をヨソに
夏草は
再びにぎやかに茂りはじめるのだった

夏の草
雨を飲み
激しく繁茂し
モクモクと息づく

緑は啓示する

途方に暮れても
泣くほどのことはない
水たまりの中の
逆さ姿のあたしが
銀光にふちどられている

キズもひとつのしるしなのだ
そのひとかけらの
しるされたものの意味をたどって
夏草の道
渡ってゆく

混沌は秩序へ
秩序は混沌に向かって
傾いてゆくとして
今はどのあたりか

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